犬と暮らしていると、犬の超能力を感じることが多々ありますよね。
これは20年以上も前の話です。
当時勤めていた会社が契約していたガソリンスタンドは、初老の夫婦が経営する小さなガソリンスタンド。
ある日いつのもように、給油にいくと事務所に見慣れないミカン箱サイズの段ボールが置いてありました。
中にはヨークシャーテリアのパピーちゃんが3匹。
聞けば知人に頼まれてまとめて迎え入れいることにしたとのこと。
日に日に成長していくヨーキー達を見ているだけで癒されました。
2匹がオスで名前はマルとテン、1匹はメスのハナ。
なかでも一番元気がよくて好奇心旺盛だったのがマル。
そんな3兄弟はガソリンスタンドのアイドルでした。
私はそんな3兄弟が可愛くて仕方なかったのですが、もし仲良くなったら愛しくて仕方がなくなると思っていたので、あえてあまり近づくこともなく、事務所には入らず遠目で見守ってました。
しばらくはそんな穏やかな日が続きましたが、ある日のこと、
いつもは事務所の中から出てくることはない3兄弟でしたが、その日は違いました…。
少し空いていたドアの隙間から、一匹が外に駆け出しました。
マルです、外の世界に出てみたかったのでしょう、ほかの子達もマルの後に続きドアの外へ走り出します。
嫌な予感が脳裏をよぎります、
マルは、そのままの勢いで道路へ…。
事故は突然に、これ以上ないタイミングで起こります。
飼い主のおばさんの悲鳴が響き渡り次の瞬間、ヨーキーは走ってきた乗用車にはねられました。
一瞬の出来事で成すすべがありませんでした。
今でも鮮明に当時の状況をスローモーションで思い出します。
すぐに車を降りて言葉にならない叫び声をあげながらぐったりと路上に横たわるマルのもとへ。
幸い息もあって、素人目には外傷も見当たりませんでした。
なぜか冷静な自分もいて、根拠もなく下手に動かすのはよくないと思いつつ、とはいえ救急車がきてくれるわけでもないので処置するために優しく抱え上げました。
テンとハナも異変を感じたのか、それ以上走る回ることなくマルのそばから離れません。
駆け付けたスタンドのおじさんもおばさんもショックが大きすぎたのか呆然と立ち尽くしていたので、「私がマルを動物病院につれていくから、テンとハナを安心させてあげて」とお願いして、マルを抱きながら車で近所の動物病院に向かいました。
※犬を抱きながら車を運転してはいけません。
急患で診断して頂き、治療のあいだ私はずっとそばでマルを見守ってました。
結果、幸運にも軽症で済んだマル、思い返せばマルをはねた車も、そんなに速度は出ていなかったように思います。
帰りは私に抱かれすやすや寝ていたマル、その時からマルは私の腕の中が落ち着く場所になったようです。
マルをつれてガソリンスタンドへ帰ると、飼い主のおじさん、おばさんと兄弟達が心配そうに待っていました。
連絡するにも電話番号を知らなかったので私が戻るまでは連絡もつかず、とにかく不安で仕方なかったと思います。
ダイジョブだったよ、「しばらく安静にして様子を見て様態が急変したりなにかあればすぐに連れてきてね」と獣医師からのメッセージを伝え、マルを返します。
ひきつった表情が一気にゆるんだおじさんとおばさん。
おばさんは私の手を握り締めて号泣しながら何度もありがとうと感謝の言葉を伝えてくれました。
テンとハナは何故か私の足にくっついて離れません。
その目は「マルを助けてくれてありがとう!」って言ってるような気がしました。
マルは日に日に元気を取り戻し、すぐに元気ないつものマルに戻りました。
あの事故の日以来、マルは私に懐いて私の顔をみると事務所の中から私を呼びます。
それは分かる気もします、でもテンとハナまでもマルと同じように私にべったり懐いてました。
その懐き具合はマル以上の甘えっぷり。
でも私が実際に関わったのは、事故の日のマルだけです。
でもテンとハナまで、マルと同じように私に懐いてたのです。
なので私が何をしたのか、テンとハナは分からないはずです。
テンとハナは車にはねられたマルを、私がどこかへ連れていき帰ってきた場面しか見ていません。
なのにマルと同じように私に懐きました。
これってもしかして、マルの体験をテンとハナもどこかで共有していたのかな?
と思わずにいられません。
まあ、実際はいろんな現象や環境の重なりを私が勝手にスピリチュアル風に捉えてるだけかもしれませんが、犬には超能力がある!
と思いたいじゃないですか(笑)
その後、転職して3兄弟と会う機会もなくなりましたが、おじさん、おばさんと多くのお客さんに愛され幸せな犬生を送ったかな?
と、たまに当時を振り返ります。
そんなわけで、私は「犬はテレパシー能力をもっている」派のひとりです。
皆さんはどうですか?犬は超能力をもってると思いますか?
※画像はすべてイメージです
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