迷い犬を保護、無事家族のもとに

   

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先日、猫用のダンボールハウスを提供してくださる遠方の協力者さん(以降「Aさん」とします)のお宅に、ダンボールハウスを引取りに伺いました。

はじめてご連絡を頂いた時、様々な事情により生体保護はできないけど、このような形で、なんとかひとつでも多くの命を救いたい一心で活動されてらっしゃることを伺いとても感銘をうけました。

本来は、このAさんに関する記事にしたかったのですが、Aさんご本人が諸事情により大変懸念されてらっしゃったので記事には致しません。
※事情が事情ですのでAさんを特定し公表することのないようお願い致します。

なので、その品を受け取りに行った際のエピソードを書きます。


 

Aさんと待ち合わせの場所に伺い、近所に到着した旨を電話で伝えました。
迎えに来てくれるとのことなので、車を降りてAさんを待っていると、少し先の大通りを犬が横断して大通り沿いに歩いていきました。

え?飼い主がいない?

私からワンちゃんが見えていたのはほんの一瞬だったので、もしかしたら近くにいた飼い主さんを見過ごしたのかもしれない、、、
と良い方向に考えようとしましたが、まず確認しようと待ち合わせ中でしたがとにかく後を追いました。

大通りにでて、犬が歩いていった方向を見てみると、ワンちゃんが歩いていました。
土地勘はないのですが住宅街の方から人気のない郊外の方に歩いているので、これから自宅に帰る様子には見えません。
やはり近所に飼い主の姿は見当たらず、このまま放っておくわけにはいきません。

ただ、交通量の多い幹線道路沿いなので、下手に追いかけて車道に飛び出されたら危険です。

なので決して急いで追いかけず慎重に後をつけ、まるで私が飼い主のように
「ワンワン(あたかもワンワンという名前のようにw)、どこいくの~?」と話しかけると、
一度こちらを振り向き、また前をむいて歩いていきました。

適度な距離を保って見守るように後を追います。
時折車道側によるので、かなりヒヤヒヤです。

「きっと通り過ぎる車の運転手さんには、ノーリードで犬を散歩させる無責任で迷惑な飼い主に見えるだろうな~」
と余計な心配をしつつ、動揺を隠しながら時々世間話のように声をかけてしばらく追跡を続けます。

「あぶないからこっちおいで」と言うと、一瞬立ち止まりそこで若干距離が近づきましたが、まだ確保できる距離ではありません、
余計な警戒をさせないよう、そこでも無理に詰めません。

また歩きだしたワンちゃん。
歩調をあわせついていくと、少し先で排尿スタイルに。
メスの柴犬です。

飼い主のように距離を保ったまま排尿が終わるのを見計らって、
「おいで」

と呼びかけると、こちらに向かって歩いてきました。
首輪もついてるし、雪解けの道路を歩いてきたにしては体も汚れていません、近所に暮らしているのでしょう。

何かの拍子にリードが外れ、いつもの散歩道を歩いていたのかも知れません。

そのまま私の足元に歩み寄ってきたワンちゃん、機は熟しました。
噛まれる覚悟でゆっくり首の下に手を回し、やさしく首輪をキャッチします。
※私は覚悟を決めてましたが危険なのでマネしないでくださいね

確保完了!

少しは信頼してくれたのか、「なんか飼い主っぽいな?知らんけど」と勘違いしたのか分かりませんが、
もはや逃げるそぶりは見せません。
首輪には鑑札は見当たらず。(必ずつけましょう!

急がず怖がらせないよう自然に我が子のように抱きかかえて、来た方向へ帰ります。
とても可愛いワンちゃんです、私と波長が合うのか我が家の子にしたいくらいイイ子でした。

そこにAさんと思わしき人物が待っていました。
お互い初対面なので、恐る恐る声をかけるとやはりAさんでした。

待たせてしまったことを詫びましたが、まったく気にも留めず、
手短に挨拶させて頂き事情を説明しました。

状況から明らかに近所の飼い犬だと思われたので、Aさんが「ウチで預かるよ」と自ら申し出てくださいました。

もし一般の方の申し出なら丁重にお断りし、こちらで対処したのですが、
初対面とはいえ事前のやり取りでAさんの人柄は存じていて、動物の保護活動に一定以上の理解のあることもわかっていましたし、とても信頼できる方なので急遽一時的に預かって頂くことに。
Aさんとワンちゃんを乗せてご自宅に向かうことになりました。

車に戻ると同行したスタッフが状況を理解できず「なんで犬連れてんの?このおじさんだれ?」とパニック状態。
そりゃそうです、私が車をおりてからの経緯を知らないのでw

ただ、ワンちゃん的には「知らんけど飼い主風の人」の私だけならまだしも、急に車に乗せられてもっと知らん人が何人もいて、不安からか怯え震えていました。
なので、ダイジョブだよと抱っこしながら声をかけ、優しく撫でてあげると少し落ち着くようでした。

Aさんのお宅に到着すると、改めての挨拶もそこそこに、まず段ボールハウスを車に積み込みます。
その間ワンちゃんはリードもないのでずっと私が抱いていました。
もはや色々あきらめたのかワンちゃんは怯えもしません、とても度胸のあるワンちゃんです。

ご提供頂いた段ボールハウス合計30個分の部材。とても丁寧な作りで猫への深い愛情を感じます。(差支えないよう画像全体をぼかしています)

 

ひと段落したころに、Aさんが「そろそろ自宅に放していいよ」とおっしゃるので、
「ここで少し待たせてもらいな、すぐに家族にあえるからね」とワンちゃんをAさんのお宅に放すと、やはり怯えた様子もなく普通に家の中をうろうろし始めました。

残りの荷物を積み込み、ハウスの組み立て方を伺ってる間も、家の中をあっちこっち歩き回るワンちゃん。
Aさんは家側、私たちは外側に対峙してたので、その様子は協力者さんには見えません。

色々とお話してくださるAさんの後ろで、ワンちゃんは新たな遊び場にでも来たかのように家の中を自由に徘徊しています。

こちらが心配になるころに話も終わり、後ろを振り返ったAさん、
「あれ?犬どこにいった?家から出なければいいか」
と、その一言にとても寛大な人柄がにじみ出ていました。

この方なら任せられると思い、ワンちゃんに別れを告げ次回のお約束をして引き上げることに。

その後一応警察に通報し、事情を説明しておきましたが、
対応した警察官の態度は少し嫌な感じでした。
(対応してくださった警察官個人ではなく、法律やルールがそもそもの問題と考えています)
もし、預かって下さるのがAさんでなければそんなに広い町ではなかったので私たちが一軒一軒回って飼い主を探すつもりでした、
警察署には連れて行かず、Aさんにお願いしたのは正解だったと感じました。

そして帰り道、とても不幸な大事故に遭遇しました。
こちらの数分前を走っていた車が事故を起こしたのです。

ちょうど私達の前に消防車が合流してきて何事かあったのか?と思うと、後方から救急車が来たので道を譲りました。
自動車専用道路で迂回路もなく、路肩に車を寄せたまま待機すること1時間、やっと通行止めが解除され事故現場を通過すると凄惨な状況でした。
この対応をするのも警察の皆さんです、さっき少し嫌な思いをしたものの、ちょっと探せばすぐに解決しそうな事件と、このような事故では、どうしても対応に差が出るのは仕方ないのかなと考えさせられました。

その刹那ふと思いました、
もしあのワンちゃんに構っていなかったら?
もしかすると私たちも巻き込まれていたかもしれません。

今思えば、偶然にも犬の日(1/11)だったこともあって、
私たちがワンちゃんを救ったのではなく、ワンちゃんが私たちを救ったようにも感じます。

自宅に戻ると、その事故の全容が次第に明らかになりました。
あまりに衝撃的だったので詳しくは触れませんが、とても悲しい事故でした。

その後Aさんから連絡があり、迷い犬は近所の知人のワンちゃんだったことがわかり、無事送り届けたと報告がありました。

Aさん宅でおトイレ中?のワンちゃん

 

その日のうちに、無事家族のもとに帰れたことに感謝です!

このような活動はしていても、迷い犬はなんの準備もないところで遭遇します。
もし迷い犬を見かけても不慣れな方は、無暗に追ったりせず、可能なら見失わないよう見守りながら役所(環境、衛生関連部署?)、警察、保険所や動物愛護センターに通報してください。
咬みつき事故や、追ったばかりに逃走して交通事故につながる恐れもあります。
※悪い意味ではありませんが経験上警察は対応が微妙(なんでもかんでも丁寧に対応できるほど余裕はないはずだし、警察が動ける範囲が一般の方には区別がつきません。)です。保健所、警察など行政機関はいずれも最終的に情報を共有し連携するのですが、念のため両方に連絡するのがいいと思います。
※今どきは、無暗やたらにすぐ処分!はできないはずです、と信じたい。

かなり無理やりですがこの経験から、人と動物の共生は大事なことだと痛感。
いい加減犬猫を物として扱う法律を変えていかなければと強く感じる出来ごとでした。

色んな面でご協力頂いたAさん、本当にありがとうございました、
頂いたお気持ちは、今後の活動に大切に使わせて頂きます!

 
   

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